Voice of the soul | |
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数年ぶりにあったはずなのに、なぜ。 俺の中の記憶の彼女と今の彼女では似てはいてもほとんど微かにしか残っていない面影なのに。 ずっと、想っていたのは事実だけれどもそれは過去の彼女の姿。 あの時、あの生徒手帳を見せられていなければ俺は、彼女を彼女とわからなかった。 それは確かなこと。 では、なぜ俺は彼女の事をたまらなく愛しいとおもったのだろか? 告白せずにはいられなかったのだろうか? あの時は、彼女があの幼い頃から恋心を抱いていた想い人とわかりその思いをスライドさせたからだと、あまり深く 考えていなかった。 考える前に焦るように彼女と約束を取り付け、告白し、彼女を手に入れた。 けれど、こうして改めて想う。 たぶん俺は、あの時彼女を見た瞬間恋に落ちたのだと。 一瞬で魂を持っていかれたように彼女に引き付けられていたことに気づいていなかった。 過去に想っていた恋心を塗り替えるようにさらに強い想いが彼女に対して湧き上がったことにも。 理屈ではない。 本能というのだろうか。 どうしても、どうしようもなく彼女のそばにいたくなった。 彼女の笑顔を全ての感情を自分の物にしたかった。 彼女が、幼い時の彼女と判らなかった状態だとしても俺は多分彼女のことが気になっていただろう。 つまりは、俺は彼女に2度も心を奪われた、と、いうことなのだろう。 パズルのピースが完全に埋まったように、すっきりと納得できる。 幼い時と違い、今、彼女は自分の手のなか。 この手を離さなければいいだけのこと。 満たされた心を再び狂気にた焦燥感を抱くことがないように。 |
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