- 黒き竜は黒瞳を愛す -

02. 目隠しでキス

彼女の瞳は俺を捕らえる魔法

あの瞳を見ると全てが消える

言葉や種族の壁すらも

それは俺を狂わせる

あってはいけない事なのに

超えてはいけない事なのに

彼女に触れていいのは承認の儀式の時のみ

けれど俺は禁忌を犯す

彼女の瞳に囚われて

幾度も彼女の暖かな身体を貪る様に触れる

拒むことがないことをいいことに

俺は繁殖期でもないのに

同種族の相手でもないのに

彼女に対して出会ってからずっと発情している

彼女がここに来てからこれまで一度とて彼女に触れない日はない

抑えることができない

こんなことははじめてだ

制御できない自分が恐ろしい

その恐ろしさから逃げようと

彼女の瞳の呪縛から逃れようと

俺を狂わすその瞳をつぶそうと何度思ったことか

そう思って彼女の瞳に手をかけるがいつもそこで止まってしまう

俺の放つ殺気がわかるのか

震えるのを必死に耐える彼女を見るとその思いはいつも霧散する

その後決まって俺は彼女に口付けを落とす

彼女が安心するのがわかるから

もう、俺には彼女を殺すことができない

できないところまで来てしまっている

わかっていながら繰り返す

何度も彼女の瞳をふさいで

何度も彼女に口付けを落とす



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