- 黒き竜は黒瞳を愛す -

03. 二人しかいない世界

人がほとんどくることがない場所

人が生きるには過酷な場所

ここにいるのは俺と彼女だけ

俺が彼女を人の世界へ帰さない限り

ここには俺と彼女の二人しかいない世界

日の出と共に起き日に向かって祈りをささげる彼女

人の祈りの言葉はわからない

わからないが彼女から発せられる音は耳に心地良い

長い朝の祈りが終わると彼女はいつも俺のそばにいた

元の姿の黒竜の姿の俺のそばに

普通の人なら俺のこの姿に恐れをなし近づくことは消してないのに

彼女は自然に俺のそばに在る

何するでもなくただ傍らに座す

俺の気まぐれで彼女を貪る

それは昼夜問わず俺がほしい時に望むだけ

彼女はそれを静かに抗うことなく受け入れている

種を残すための行為が

今、この二人の世界の時だけ違うものになる

言葉で伝えられない思いを伝え合うかのように肌を重ねあう

この世界で言葉は必要となくなる

世界に二人だけとなる



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