- 黒き竜は黒瞳を愛す -

05. そうして何処までも堕ちていく

やがて俺は彼女を腕の中に閉じ込める

彼女を片時も離さず腕の中に閉じ込める

互いに一糸まとわぬ生まれたままの姿で

彼女と交わっては眠り

起きてはまた求めて交わい

永遠の快楽に酔いしれ溺れる

住処の奥深くに篭り

今が何時なのか

昼なのか夜なのか

今ではもうわからない

わからないほど彼女をずっと貪り続ける

彼女が起きていようが起きていまいがもう今では関係がなくなってきている

人と竜と種族を無視して禁忌を犯して彼女に溺れる

もうすでに俺は竜ではない

最後に竜の姿に戻ったのはいつだろうか

そんなことが朧げに思考に上るが

すぐに快楽の波に飲まれて霧散する

そうして何処までも堕ちていく

彼女となら何処まででも堕ちてゆける

彼女さえいればもう何もいらない

竜という事だって捨ててもかまわない

彼女が全て

俺の全て



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